移転価格税制の実務研究ノート

移転価格税制の勉強の過程。実務のヒントを探しています。

PE勉強の続き⑤(PE帰属所得の計算)

ここまでPEについて複数回にわたって勉強用のメモを作成してきたが、ここでは、PEを有する場合の外国法人に対する法人税の課税(国内法)について取り上げたい。

といっても、まさに一からの勉強になるので、すでに他の記事でも取り上げた以下の2冊の教科書に従って、条文を追いかけていきたい。

  • 仲谷栄一郎・井上康一・梅辻雅春・藍原滋共著「国際取引と海外進出の税務」税務研究会出版局(以下、「文献①」)
  • 増井良啓・宮崎裕子著「国際租税法(第4版)」東京大学出版会(以下、「文献②」)

以下、条文は別途記載しない限り法人税法。(条文への下線は、当記事筆者による。)

■課税所得の範囲と課税標準 

まず第9条。外国法人には「国内源泉所得」に法人税が課される。

(外国法人の課税所得の範囲)
第九条 外国法人に対しては第百四十一条各号(課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課する
2 外国法人(人格のない社団等に限る。)の前項に規定する国内源泉所得に係る所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、同項の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。

 

第9条で引用された第141条。 外国法人の課税標準は、PEを有するか、有しないかによって分かれる。PEを有する外国法人においては、第138条における国内源泉所得の種類によって二つに分かれる。

第百四十一条 外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税課税標準次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得の金額とする。
一 恒久的施設を有する外国法人 各事業年度の次に掲げる国内源泉所得
イ 第百三十八条第一項第一号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得
ロ 第百三十八条第一項第二号から第六号までに掲げる国内源泉所得(同項第一号に掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)
二 恒久的施設を有しない外国法人 各事業年度の第百三十八条第一項第二号から第六号までに掲げる国内源泉所得

 

第141条で引用された第138条。第141条と合わせてみると、PEを有する外国法人(同条1号)のイはPE帰属所得、ロはそれ以外の国内源泉所得であることがわかる。(PEを有しない外国法人の課税標準(同条2号)は、PEを有する外国法人のロと同じ。)

  • 第138条1号1項のPE帰属所得は「OECDのAOA*1に従ったもの」(文献①P.418)。
  • 「当該PEが『独立して事業を行う事業者であるとしたならば』当該PEに帰せられるべき所得が、PE帰属所得になる」という考え方は、「2010年OECDモデル租税条約7条がAOAを採用したことを踏まえ、PEの独立性を徹底するものである。本店等との間の『内部取引』を勘案することを明示して、法人内部の取引からも損益を認識する」(文献②P.59)。
  • また、第141条第1号ロのPE帰属所得以外の国内源泉所得がPEに「帰属する場合、それはPE帰属所得(同号イ)『のみ』に該当するものとされます(同号ロかっこ書き)」(文献①P.422)。

(国内源泉所得)
第百三十八条 この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
一 外国法人が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該恒久的施設が果たす機能、当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設と当該外国法人の本店等(当該外国法人の本店、支店、工場その他これらに準ずるものとして政令で定めるものであつて当該恒久的施設以外のものをいう。次項及び次条第二項において同じ。)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得(当該恒久的施設の譲渡により生ずる所得を含む。)
二 国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)
三 国内にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
四 国内において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う法人が受ける当該人的役務の提供に係る対価
五 国内にある不動産、国内にある不動産の上に存する権利若しくは採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)の規定による採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の規定による租鉱権の設定又は所得税法第二条第一項第三号(定義)に規定する居住者若しくは内国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
六 前各号に掲げるもののほかその源泉が国内にある所得として政令で定めるもの
2 前項第一号に規定する内部取引とは、外国法人の恒久的施設と本店等との間で行われた資産の移転、役務の提供その他の事実で、独立の事業者の間で同様の事実があつたとしたならば、これらの事業者の間で、資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引(資金の借入れに係る債務の保証、保険契約に係る保険責任についての再保険の引受けその他これらに類する取引として政令で定めるものを除く。)が行われたと認められるものをいう。
3 (省略) 

第141条の外国法人の課税標準の区分が「相互に通算しない」(文献②P.110)ものであることは、第143条に定められている。また、外国法人に対する法人税の税率が23.2%であることもここで定められている。

(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第百四十三条 外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、次に掲げる国内源泉所得の区分ごとに、これらの国内源泉所得に係る所得の金額に百分の二十三・二の税率を乗じて計算した金額とする。
一 第百四十一条第一号イ(課税標準)に掲げる国内源泉所得
二 第百四十一条第一号ロに掲げる国内源泉所得
三 第百四十一条第二号に定める国内源泉所得

 

■所得金額の計算 

第141条第1号イのPE帰属所得の金額の計算は第142条に定められている。この計算は「内国法人の課税所得計算ルールに準ずる」(文献②P.111)ことが第2項に定められている。「準じて計算する」対象とされている「前編第一章第一節第二款から第九款まで(内国法人の各事業年度の所得の金額の計算)」「及び第十一款(各事業年度の所得の金額の計算の細目)」とは、「法人税法第22条から第65条まで」(文献①P.423)。

(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算)
第百四十二条 外国法人の各事業年度の前条第一号イに掲げる国内源泉所得(以下この款において「恒久的施設帰属所得」という。)に係る所得の金額は、外国法人の当該事業年度の恒久的施設を通じて行う事業に係る益金の額から当該事業年度の当該事業に係る損金の額を控除した金額とする。
2 外国法人の各事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、外国法人の恒久的施設を通じて行う事業につき、前編第一章第一節第二款から第九款まで(内国法人の各事業年度の所得の金額の計算)(第二十三条の二(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)、第二十五条の二から第二十七条まで(受贈益等)、第三十三条第五項(資産の評価損の損金不算入等)、第三十七条第二項(寄附金の損金不算入)、第三十九条の二(外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉税等の損金不算入)、第四十一条(法人税額から控除する外国税額の損金不算入)、第四十一条の二(分配時調整外国税相当額の損金不算入)、第四十六条(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)、第五十七条第二項(残余財産の確定に係る部分に限る。)(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)、第五十八条第二項(残余財産の確定に係る部分に限る。)(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)、第六十条の二(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)及び第六十一条の二第十七項(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)並びに第五款第五目(連結納税の開始等に伴う資産の時価評価損益)及び第六目(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)を除く。)及び第十一款(各事業年度の所得の金額の計算の細目)の規定に準じて計算した場合に益金の額となる金額又は損金の額となる金額とする。

3(省略、以下別途引用)

4(省略、以下別途引用)

 「所得算定の基本規定である法人税法22条についていえば、次の修正を加えて計算することとされている。」 (文献①P.111)(第22条については注*2を参照。)

  • 「収益・原価・費用・損失の額は、『恒久的施設を通じて行う事業』に係るものに限る」(文献①P.111)→法人税法施行令第184条第1項1号
  • 内部取引を認識することは第138条第1項に定められた通りだが、第142条第3項1号では第22条に定める債務確定基準*3が適用されないことが定められている。「これは、そもそも内部取引は同一法人内のものですから、「債権債務」が生じないことを前提に」(文献②P.424)している。

  • 本店経費の配賦を行う。→第142条第3項2号、法人税法施行令第184条第2項、法人税基本通達20-5-9, 20-5-10
  • 「外国法人がPEを開設するための本店等からの資金の供与や、PEからの剰余金の送金…は、資本等取引に含」み(文献①P.111)、「原則として法人税が課され」ない。(文献②P.424)→第142条第3項3号

法人税法施行令

(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算)

第百八十四条 外国法人の各事業年度の法第百四十一条第一号イ(課税標準)に掲げる国内源泉所得(以下この条及び第百八十六条(控除対象外国法人税の額が減額された部分のうち益金の額に算入するもの等)において「恒久的施設帰属所得」という。)に係る所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入すべき金額につき、法第百四十二条第二項(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算)の規定により次の各号に掲げる法の規定に準じて計算する場合には、当該各号に定めるところによる。

一 法第二十二条(各事業年度の所得の金額の計算の通則) 同条第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び同条第三項各号に掲げる額は、外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係るものに限るものとする。

(以下省略)

2 法第百四十二条第三項第二号に規定する政令で定めるところにより配分した金額は、外国法人の当該事業年度の同号に規定する費用につき、当該外国法人の恒久的施設を通じて行う事業及びそれ以外の事業に係る収入金額、資産の価額、使用人の数その他の基準のうち、これらの事業の内容及び当該費用の性質に照らして合理的と認められる基準を用いて当該外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に配分した金額とする。

 

法人税法

(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算)
第百四十二条 3 外国法人の各事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得の金額につき、前項の規定により第二十二条(各事業年度の所得の金額の計算の通則)の規定に準じて計算する場合には、次に定めるところによる。
一 第二十二条第三項第二号に規定する販売費、一般管理費その他の費用のうち第百三十八条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に係るものについては、債務の確定しないものを含むものとする。
二 第二十二条第三項第二号に規定する販売費、一般管理費その他の費用には、外国法人の恒久的施設を通じて行う事業及びそれ以外の事業に共通するこれらの費用のうち、当該恒久的施設を通じて行う事業に係るものとして政令で定めるところにより配分した金額を含むものとする。
三 第二十二条第五項に規定する資本等取引には、恒久的施設を開設するための外国法人の本店等(第百三十八条第一項第一号に規定する本店等をいう。以下この号において同じ。)から恒久的施設への資金の供与又は恒久的施設から本店等への剰余金の送金その他これらに類する事実を含むものとする。
4 前項に定めるもののほか、第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

法人税基本通達>

(本店配賦経費の配分の基礎となる費用の意義)
20-5-9 法第142条第3項第2号《共通費用の配分》に規定する「外国法人の恒久的施設を通じて行う事業及びそれ以外の事業に共通するこれらの費用」とは、例えば、次に掲げる業務に関する費用のうち、恒久的施設を通じて行う事業とそれ以外の事業に共通する費用で、当該恒久的施設を有する外国法人の本店等において行われる事業活動の重要な部分に関連しないものをいうことに留意する。(平26年課法2-9「九」により追加)

(1) 外国法人全体に係る情報通信システムの運用、保守又は管理
(2) 外国法人全体に係る会計業務、税務業務又は法務業務

 

(本店配賦経費の計算)
20-5-10 恒久的施設を有する外国法人の当該事業年度における法第142条第3項第2号《共通費用の配分》に規定する「共通するこれらの費用」の額引当金勘定への繰入額、準備金の積立額及び負債の利子の額を除く。以下20-5-10において「共通費用の額」という。)については、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに令第184条第2項《恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算》に規定する合理的と認められる基準により当該恒久的施設を通じて行う事業に配分するのであるが、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに計算をすることが困難であると認められるときは、全ての共通費用の額を一括して、当該外国法人の当該事業年度の売上総利益の額のうちに当該恒久的施設を通じて行う事業に係る売上総利益の額の占める割合を用いて恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。(平26年課法2-9「九」により追加)

(注) 共通費用の額には、内部取引に係るものは含まれないことに留意する。

 

第138条1項(再掲)における「内部取引」についてはさらに以下の点に留意が必要。

(国内源泉所得)
第百三十八条 この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
一 外国法人が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該恒久的施設が果たす機能当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設と当該外国法人の本店等(当該外国法人の本店、支店、工場その他これらに準ずるものとして政令で定めるものであつて当該恒久的施設以外のものをいう。次項及び次条第二項において同じ。)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得(当該恒久的施設の譲渡により生ずる所得を含む。)

1.移転価格税制が適用される。PEから本店に対する寄附金の損金不算入も定められている。(文献②P.113、文献①P.424)

租税特別措置法> 

(外国法人の内部取引に係る課税の特例)
第六十六条の四の三 恒久的施設を有する外国法人の平成二十八年四月一日以後に開始する各事業年度において、当該外国法人の本店等法人税法第百三十八条第一項第一号に規定する本店等をいう。第三項において同じ。)と恒久的施設との間の同号に規定する内部取引(以下この条において「内部取引」という。)の対価の額とした額が独立企業間価格と異なることにより、当該外国法人の当該事業年度の同法第百四十一条第一号イに掲げる国内源泉所得に係る所得の金額の計算上益金の額に算入すべき金額が過少となるとき、又は損金の額に算入すべき金額が過大となるときは、当該外国法人の当該事業年度の同号イに掲げる国内源泉所得に係る所得に係る同法その他法人税に関する法令の規定の適用については、当該内部取引は、独立企業間価格によるものとする。
2 (省略)
3 外国法人の各事業年度における内部寄附金の額(当該外国法人の当該事業年度の内部取引において当該外国法人の恒久的施設が当該外国法人の本店等に対して支出した額のうち法人税法第三十七条第七項に規定する寄附金の額に相当するものをいう。)は、当該外国法人の各事業年度の同法第百四十一条第一号イに掲げる国内源泉所得に係る所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。この場合において、当該外国法人の当該金額につき同法第百四十二条第二項の規定により同法第三十七条の規定に準じて計算するときは、同条第一項中「次項」とあるのは、「次項又は租税特別措置法第六十六条の四の三第三項(外国法人の内部取引に係る課税の特例)」と読み替えるものとする。

2. PEが果たす機能(文献②P.59)

法人税基本通達>

(恒久的施設が果たす機能の範囲)
20-2-3 法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に規定する「恒久的施設が果たす機能」には、恒久的施設が果たすリスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能、資産の帰属に係る人的機能、研究開発に係る人的機能、製造に係る人的機能、販売に係る人的機能、役務提供に係る人的機能等が含まれることに留意する。(平26年課法2-9「六」により追加)

(注) 本文の「恒久的施設が果たすリスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能」とは、当該恒久的施設を通じて行う事業に従事する者が行うリスクの引受け又はリスクの管理に関する積極的な意思決定が必要とされる活動をいう。

3. PEにおいて使用する資産(文献②P.59)

法人税法基本通達>

(恒久的施設において使用する資産の範囲)
20-2-4 法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に規定する「恒久的施設において使用する資産」には、20-5-21の判定により恒久的施設に帰せられることとなる資産のほか、例えば、賃借している固定資産(令第13条第8号イからツまで《減価償却資産の範囲》に掲げる無形固定資産を除く。)、使用許諾を受けた無形資産(措置法第66条の4の3第5項第2号《外国法人の内部取引に係る課税の特例》に規定する無形資産のうち重要な価値のあるものをいう。)等で当該恒久的施設において使用するものが含まれることに留意する。(平26年課法2-9「六」により追加、平28年課法2-11「十四」、令元年課法2-10「十一」、令2年課法2-17「十三」により改正)

(注) 本文の「賃借」及び「使用許諾」には、賃借及び使用許諾に相当する内部取引が含まれる。

4.  その他の状況(文献②P.60)

法人税法基本通達>

(恒久的施設帰属所得の認識に当たり勘案されるその他の状況)
20-2-1 恒久的施設を有する外国法人の法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に掲げる国内源泉所得(同条第3項の規定により同号に掲げる所得とされるものを除く。以下20-2-2において「恒久的施設帰属所得」という。)の認識に当たり勘案される同号に規定する「その他の状況」には、恒久的施設に帰せられるリスク及び恒久的施設に帰せられる外部取引が含まれることに留意する。(平26年課法2-9「六」により追加)

(注)

1 リスクとは、為替相場の変動、市場金利の変動、経済事情の変化その他の要因による利益又は損失の増加又は減少の生ずるおそれをいう。以下この章において同じ。

2 リスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能を恒久的施設が果たす場合には、当該リスクは当該恒久的施設に帰せられる。

3 外部取引とは、恒久的施設を有する外国法人が他の者との間で行った取引をいう。以下20-2-2において同じ。

*1:Authorized OECD Approach、「PEに帰せられる利得の算定上、同一法人の本支店間や支店間の内部取引…」「についても外部取引…と同様に、独立企業原則を適用するアプローチ」(文献②P.43)

*2:第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

*3:法人税法基本通達>(債務の確定の判定)

2-2-12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。(昭55年直法2-8「七」、平23年課法2-17「五」により改正)

(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。

(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。

(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。
国税庁タックスアンサー「No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定」では「修繕費を例にとると、建物等の修繕を発注し、業者によって修繕が完了し、かつ金額の見積りが客観的にでき得る状況にあれば、上記の3つの要件を満たし未払金等として計上できることになります。」と説明されている。