専門書は高価である。もちろん、その本に詰まっている内容からすればそんなことはない、という見方もできるし、本の執筆者の方々からすれば書くことに費やされた時間・労力を考えれば十分に「安い」とも言えることはその通りだと思う。そもそも出版数が少ないからそれなりの価格にせざるを得ないのも致し方ないとも思う。しかし、普段買っている本と比べれば価格帯が高いのは事実であり、普通の会社員にとって、一気に何冊も買うのはそう簡単なことではない。
その上、専門書は他の本の分野と比べて、書評が少ない。新聞、雑誌の書評に取り上げられることはまずないし、Amazonのレビュー、読書メーターの感想もほとんどない。住んでいる場所にもよるが、地元の書店で現物を確かめることができないことも多々ある。大学生、研究者であれば所属されている大学図書館に所蔵されているのかもしれないが、自分はそのような身ではない。
つまり専門書は「中身がよくわからないのに高い」。「賭け」のような気分で注文することもよくある。
そこで、このブログでは、移転価格税制というある意味、特殊な分野における本を、実務担当者という立場から、「どこが実務の参考になったか」という点を中心に、紹介していくことで、「中身がよくわからないのに」の解消に僅かながらでもお役に立てれば、と考えている。と同時に、自分自身がまだまだ移転価格税制という分野を会社で担当し出してから数年しかたっておらず、勉強中の身なので、間違ったことを書いている可能性も十分にあるが、その間違いも含めて、思索の過程、勉強の過程を残していくことは自分の勉強の道しるべになるかも、という思いもある。
私自身は移転価格税制という分野の面白さに魅了されているので、もっともっと移転価格税制の本が出版されてほしい、と強く願っている。